ウナギ釣りの仕掛け(中流域用)

基本的にウナギ釣りは、各自思い思いにやればいいと考えています。なにしろ穴釣りや置き仕掛けという釣法もあるくらいですから、かなりいいかげんなタックルでも一応釣りになります。しかし魚の習性を考慮したり釣りの効率を追求すると、高級な道具を揃える必要こそありませんが、仕掛けの工夫やラインシステムなどの要所はしっかりと押さえておく必要があると思います。

私は現在主に河川の中流域でウナギ釣りをしていますので、

①若干水流が強い
②底は砂地か玉石
③基本的にクリアウォーター
④ウグイなどのエサ取りが多い

という条件の下で解説していきます。

基本仕掛け
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竿

本数は基本的に3本。一般的な竿掛けに無理なくセット出来る本数です。それ以上だと煩雑になりトラブル対処やメンテナンスで時間を消費し、それ以下だと当然釣れる確率が下がります。ご自分の力量で増減してください。

感度と取り回しの関係で、投げ竿はお薦め出来ません。6.5ft以上9ft以下のシーバスロッドやエギングロッドを推奨します。バスロッドでもウナギは釣れますが、どうしても外道に大きな鯉やナマズがヒットします。これらに対処するには最低でもミディアムアクションのロッドを用意したいところです。鯉なら50㎝、ナマズなら60㎝は抜き上げることが出来ます。またウナギでも80㎝クラスの大物となると、柔らかい竿ではパワー不足で寄せが遅れてしまいます。
竿は短いほど穂先のトラブル(ライン絡みや鈴のズレ修正など)対処が楽で、夜釣りという性質上これは重要な要素です。
ただし短いほど遠投性能や足下の障害物回避に反比例しますので、ポイント次第で妥協点も変化します。
竿の運搬ですが、ウナギは時合いが大変短いので、現場到着後即投入できるように仕掛けまでセットした状態で持ち運ぶのが良いでしょう。ワンピースロッドを使うもよし、ツーピースなら収納せずつなげた状態で。どちらも針をガイドなどに引っ掛けて運搬します。運搬の際にはすべてのロッドをマジックテープなどで束ねておくと楽です。

リール
2500~3000番クラスのスピニングリールで、夜釣りなのでライントラブルが起きにくいもの、ドラグ性能が確かなものを使います。安物はベイルとラインローラー周辺でよく糸がらみが起きます。これに気付かずに投げると、ラインが切れて仕掛けだけ飛んでいく…ということになります。夜釣りではなおさら気付かないので注意して下さい。

ライン
PE1~1.5号あたりが妥当です。
太いと水流の影響を受けやすくなり、細いと根ズレなどの劣化で高切れのリスクが生じます。
ナイロンは感度が最悪なのでお薦めできません。ボトム形状の把握や外道アタリを感知できず、エサ交換のタイミングがわからなくなります。しかたなくナイロンラインを使ったことがありますが、ゴムひもで釣りをしているような感覚でした。

リーダー
私の場合3.5号のフロロカーボンラインをオルブライトノットでPEラインとつないでます。近年市場に出回っている「船ハリス」(100m巻き・1,100円程度)がお得です。長さは1m以下で任意に。
オモリが遊動式なので、リーダーを付けないとPEが擦れて劣化し、大物が掛かった際に切れます。ご注意を。

クッション
安いウキ止めゴムでOK。オモリの衝撃からサルカン結合部を保護します。

オモリ
一般的にはナツメオモリを使いますが、私は小田原オモリを使ってます。
小田原オモリは川底で転がりにくく、仕掛け回収時に浮き上がる性質を持ってます。遊動で使いますが、糸はカン(ルアーで言うところのアイ)を通るので、ナツメオモリに比べてラインにやさしく、ささくれることもありません。

ハリス
リーダーと同じものを適当な長さで。
長すぎるのもなんですが、短くても釣果に差は出ません。例えば10㎝しかなくても釣れます。


ウナギといえばウナギ針ですが、意外とよくバレます。号数を上げてもフトコロが狭く、どうも掛かりが浅いように感じます。またシルエットが細いせいか小さなウナギ(通称エンピツ)まで釣れてしまうので、私は丸セイゴ16号を使用しています。

※ウナギ釣りは時間との戦いなので、あらかじめハリスを結んだ針をいくつか作り、仕掛け巻きに巻いておくことをお勧めします。このとき片方をチチワにしておくと、サルカンへの結びが迅速になり便利です。

エサ
ドバミミズ&テナガエビ
ドバは特効エサと言われてますが、ウグイなどの外道がうるさくなります。よってエサ持ちはよくありません。よく臭い臭いと言われてますが実際は腐葉土の匂いしかしません。山の土の匂いです。針付けするときは独特のヌルを出すので、一緒に砂を入れておくと滑り止めになります。
テナガエビはエサ付けしやすく、食える魚が限定されるのでエサ持ちも良いです。もちろんウナギのサイズも良型に限定されてエンピツ除けになります。臭いはドバに劣る(と思われる)ので、アピールしたい場合はむき身で使ったりもしますが、一匹掛けと比べてほとんど釣果に差がないように思えます。ただ鯉やナマズがかかる確率は上がります。ウナギ針はフトコロが狭くてエサ付けしにくいので、テナガエサ向きではありません。

以上の2種類を使い分けますが、並行して使用しても楽しいものです。
エサ取りが多く少々忙しくなりますが、釣果はドバミミズに分があるようです。
良型限定でまったりやりたい方はテナガエビがオススメです。

その他の備品
アタリを取るためのアイテムとして、鈴やケミホタルを使います。
ケミホタル(テープ止めタイプ)は竿先のトラブルも少なく快適ですが、繰り返し使用できないため釣行のたびに若干ですがお金がかかります。限りなく出費ゼロで高級食材を釣るのがこの釣りの醍醐味ですが、少々の出費にこだわらない方はケミホタルをご使用下さい。ただし消耗品なので手持ちの在庫切れに注意。
鈴は竿先から目を離すことが可能になります。一般にクリップ式とスクリュー式がありますが、トラブルの少ないスクリュー式をお薦めします。(参照記事

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